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【第2回北区ビジネスプランコンテスト 最優秀賞 受賞】
産後女性の筋力回復で
日本を元気にする

新井 雅美さん

一般社団法人日本産後ダイエット協会

■ビジネスプランコンテストに応募したきっかけを教えてください。

任意団体として立ち上げた日本産後ダイエット協会の、事業拡大や法人化の方法を知りたくて、北区が主催する起業セミナーに参加したことが、そもそものきっかけでした。そのセミナーで、ビジネスプランコンテストのことを教えていただいたのです。

日本産後ダイエット協会のミッションは、女性の出産後の筋力低下と、それに伴う心身のトラブルの解消をサポートすることです。その活動を広めていくことが、そもそも「ビジネスプラン」にあたるのかという素朴な疑問があり、果たして自分に応募する資格があるのかも最初はよくわかりませんでした。でも、起業セミナーの同期生から、コンテストにエントリーすることにはリスクもなければデメリットもない、メリットしかないよと言われ、「それもそうだ」と妙に腑に落ちました。勉強仲間の一言に背中を押され、応募を決めました。

事業計画書やプレゼン用のスライドを作るのは生まれて初めてのことで、コンテストのための資料作りでは苦労しました。本を読んで勉強したり、コンテストの運営を担当しているコミュニティビジネスサポートセンターの方に相談に乗っていただいたりしながら、何とかやり遂げることができました。

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つい先日、私の背中を押してくれたセミナーの同期生と思い出話をしていた時のことです。「新井さんはグランプリを取るって宣言していたよね」と言われました。

そんなことを言っていたっけとびっくりしたのですが、だんだん思い出してきました。正直なところ自信はありませんでしたし、何もかもが手探りの状態でした。しかし、コンテストにエントリーしたからには、私以上に産後ケアの大切さを確信し、それを広めようと応援してくれている日本産後ダイエット協会の仲間たちに恥をかかせるわけにはいかない。そう思っていたのです。プレッシャーでしたが、「グランプリを取らなきゃ」と私なりに覚悟を決めていたのだと思います。

■ビジコンに応募してよかったことを教えてください。

自分が大切だと信じて世に広めたいと思っていることの価値と必要性を、ビジコンを通じて利害関係の無い第三者から認めてもらえたことは、本当にありがたかったです。審査員の方々や、サポートをしてくださった方々には心から感謝しています。おかげさまで、自分の志やビジョンに自信を持つことができました。

産後ケアは医療従事者によって担われてきた分野ですし、その大勢は今も変わりません。私は自分の経験から出発して勉強と研究を重ね、ケアのためのプログラムを作り上げたわけですが、医療の専門家でないために十分な活動ができず、歯がゆい思いをすることも少なくありませんでした。

しかし、ビジコンでグランプリをいただき、状況が一変しました。

この道でやっていこうと改めて覚悟ができましたし、医師や医学療法士など、医療従事者からの信頼や協力も得られ、対外的に話が通りやすくなりました。

ビジコンの前には考えられなかったような人たちや企業・組織にも、対等に働きかけられるようになりました。そこから、わくわくするような企画や動きが次々に生まれてきています。

 

■ビジコンで受賞した後の事業の状況を教えてください。

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コロナ禍や、無料で提供されているエクササイズのネット動画などの影響もあり、当初は参加者が思うように伸びませんでした。

そこで、私たちは産後女性の抱える悩みやニーズをリサーチしなおし、発信する情報の内容をブラッシュアップしました。これが転機になりました。2022年1月後半から申込が増え始め、当初クラスのリアル開催地としていた志茂駅徒歩3分のスタジオに加えて、アクセスの良い赤羽駅徒歩3分のスタジオでの開催を決めると一気に申込が増えました。4月から7月までのクラスが満席になったため、クラスの参加者枠の増員も決まりました。区内外から新たなオファーも来ていて、新規2クラスの開校が決まっています。

産後女性だけでなく、シニア世代を対象にしたオンライントレーニングの仕事も始まっています。産後ダイエットトレーナーの養成講座の受講希望者も増えてきています。今では、産婦人科の医師、助産師、保健師、理学療法士、作業療法士、薬剤師と言った医療従事者も多く学びに来られています。

日本産後ダイエット協会の設立は2019年3月です。妊娠出産が「病気」でないため、出産にまつわる身体トラブルの改善は医療サービスとして提供されません。また、切迫入院による筋力低下(廃用性症候群)が起きても、リハビリは提供されません。協会の設立以来、私たちはこうした社会問題を解決すべく、一貫して活動を続けてきました。

ビジコンを経て、協会は2020年には法人化しました。この年から現在まで、私たちのケアプログラム「産後ダイエットクラス」は、北区地域作り応援団事業の一環として運営されています。産後ダイエットクラスは、産後ケアにかかわるプチ講座、エクササイズ、ママ同士の交流タイムの3部構成になっています。


 

■今回、応募する方への応援メッセージをお願いします!

ビジコンに挑戦すれば、少なくとも自分の可能性を確認できます。それだけでも、すごいことではないでしょうか。確認すらせずに挑戦しないのは、あまりにももったいないです。

自分のやりたいことや理想を第三者の目にさらすのは怖いことですし、勇気が必要です。

でも大きな意味があります。駄目出しをされたら、改善していけばいいのです。オープンな姿勢で前向きに取り組んでさえいれば、必ず誰かが手伝ってくれます。ひとりでは絶対に到達できなかったレベルにまで、やりたいことを実現するためのプランは洗練されていきます。自分のビジョンを大きく実現するための入り口も開けてくるはずです。

挑戦しない理由は無い、私はそう思います。

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